募集中の基金

沖縄県小中学校歴史教育みらい基金

誰のため/なんのため
琉球・沖縄史を学べずに育つ子どもたち・多忙で教えられない教員のために

歴史を学ぶことは、自分が生まれ育った地域を誇りに思う心情を育むことです。

 

琉球・沖縄史を学べる動画の教材を制作し教育現場に届けることで、子どもたちに地域の魅力を発見・探求させ、地域のために自分ができることを考えられる力を与えたいと考えています。

 

また、深く学んだ地域の特色を、沖縄の魅力として発信できる表現力も身につけてもらいたいと願っています。

活動主体
沖縄県小中学校歴史教育研究会 短編アニメ&実写版「琉球の歴史・沖縄の歴史」製作・普及推進委員会

定年を迎えた元教職員を中心とする有志のチームで結成された委員会です。


50年以上前の「日本復帰」前後、激動の歴史を経験してきた私たちが伝える意義、役割を感じ、郷土の先人たちの教えや歴史・伝統・文化について、若い教員と一緒に、子どもたちに「わかりやすく伝える」ための方法、教え方を、今模索しているところです。

活動内容・お金の使い道
短編映像作品「琉球の歴史・沖縄の歴史」 全10巻を製作し、県内小中学校に無償配布します

アニメや実写で紹介する短編映像作品「琉球の歴史・沖縄の歴史(シリーズ全10巻構成)」を製作します。

 

完成した全作品を「県内小中学校への無償配布」を行い、「琉球の歴史・沖縄の歴史」を学校教育で教えていくこと、多忙な現場教員を支援します。

活動の背景・社会環境
78%もの高校生が「沖縄が日本に復帰した年月日」を 答えられませんでした

昨年5月に行なわれた、県内高校生へのアンケート調査(沖縄歴史教育研究会)では、「沖縄が日本に復帰した年月日」を正しく答えきれなかった高校生が78%と報告されました。

 

本研究会が県内全公立小・中学校に行ったアンケート結果(回答200人)でも、「沖縄の歴史に関する学習指導」を「年間指導計画」に組んでいない学校が14%ありました。

 

また、社会科で沖縄の歴史に関する授業は年間で1-4時間にとどまる学校が58%に上ったほか、0時間も9.5%ありました。近代沖縄について学んだ学校は2割にとどまっています。

 

現在、小中学生向けの「琉球や沖縄の歴史」を伝えるわかりやすい映像教材は少なく、ネット上には誤った歴史認識に基づく動画などもあり危機感があります。

提供 : 琉球新報社
この活動の協力者/地域資源
歴史を伝えることが得意な映画会社の協力を仰ぎます

短編アニメ&実写版「琉球の歴史・沖縄の歴史」の制作にあたり、株式会社シネマ沖縄さんに協力いただきます。琉球王朝の歴史や、今に続く祭祀などを伝える「歴史・文化」カテゴリーの映画制作において豊富な実績を持つ地元企業です。

 

シネマ沖縄作品:

・沖縄戦映像「戦場の童」(1985年教育映画祭優秀賞)

・波照間島の戦争マラリア題材にしたアニメ作品「石の声」 ほか多数

 

また、琉球新報社、沖縄タイムス社、対馬丸記念館に後援いただきます。

これまでの活動・実績
「琉球・沖縄の歴史教育」の現状と課題をシンポジウムで展望しました

2022824日に発足

 

20229月:県内公立全小・中・特別支援学校へ「沖縄の歴史教育」の学習指導状況について実態調査実施(1029日結果公表)



20236月:「第1回 沖縄県小中学校歴史教育シンポジウム」南風原町中央公民館にて開催

 

本研究会が主催した「第1回 県小中学校歴史教育シンポジウム」では、小・中学校現場における「琉球・沖縄の歴史教育」の現状と課題、今後のあるべき教育の姿をパネリストとともに展望しました。

 

パネリストには、津波信一氏(劇団TSJ主宰)、秋山道宏氏(沖縄国際大学准教授)、前田勇樹氏(歴史研究者)、屋良真弓氏(南風原小学校教諭)、内山直美氏(伊良波中学校教頭)、そして県小中学校歴史研究会副会長、山内治に登壇いただき多様な視点からの議論を深めることができました。

 

来場された方々のアンケートには、「沖縄に生まれ、この年になっても琉球・沖縄の歴史をもっと知りたい」とのコメントなどがありました。また、「教科書のように使えるテキスト」とともに、「歴史アニメ等の映像教材」の必要性が指摘され、「現在、研究会が製作しようとしているDVD(歴史アニメ)をぜひ完成させて下さい」との声が寄せられました。


202312月:「第1回 沖縄県小中学校歴史教育講演会」を、那覇市文化芸術劇場にて開催し多くの皆さんにご来場いただきました。第一部では、琉球歴史研究家の賀数仁然氏による歴史講演、第2部では、「琉球・沖縄の歴史と文化をどうつなぐか」をテーマに、賀数氏と劇団TSJ主宰の津波信一氏、本研究会の山内治によるトークセッションを行いました。

 

来場された方々からは、「多くの児童・生徒が沖縄の歴史文化に関心をもつきっかけになると考える」などの意見が寄せられました。

 

第1回 沖縄県小中学校歴史教育シンポジウム
寄付募集のゴール・これからの活動
2026年度までの製作・無償配布完了を目指しています

首里城復元が完了する2026年度までに、完成した作品を「県内小中学校に無償配布」します。

ご確認事項

※(公財)みらいファンド沖縄を通じた本基金へのご寄付は、税制優遇の対象です。詳細はこちら

※本基金への寄付額のうち15%を(公財)みらいファンド沖縄の基金運営費に充当させていただきます。

メッセージ
活動にかける想い・感謝のことば・支援者から
事務局 運天秀紀のことば

日本や世界に視野を広げ羽ばたくためにも 足元の歴史をしっかり学んでほしい

 

子どもたちは、信長や家康、秀吉のことはよく知っていますが、「尚巴志や阿摩和利や護佐丸」といった郷土の歴史人物についてはあまり知らないと感じています。

 

沖縄のみらいを担う子どもたちが、沖縄だけでなく、日本や世界に視野を広げて羽ばたいていくためにも、自分たちの足元の「琉球・沖縄の歴史」についてしっかり学んでほしいと思います。

 

また、国内や海外に展開するウチナーンチュ(県系人2世、3世)ネットワークを通して、「琉球の歴史・沖縄の歴史と文化」の教育普及・継承を図るための方策を今後も検討していきます。

写真提供:沖縄タイムス社 2023年6月7日記事より