乳がん患者が「元気に乳がんと闘う」ための環境づくりプロジェクト
沖縄県内では、年間1,000人を超える女性が乳がんの告知を受けています。
乳がん経験者であるスタッフが中心となって、活動を行っています。
スタッフは「適切な病院を受診しなかったために乳がんが見逃された」「どこで受診すればいいかわからない」「相談したいが周りには知られたくない」「告知され、生きることも死ぬこともできない苦しさをどうしていいかわからない」といった気持ちを抱えた経験を持っています。
その経験を活かして、乳がんの正しい知識と情報発信、乳がんの早期発見・正しい治療の大切さを訴える啓発活動を行っています。
浦添市に開設している「ぴんく・ぱんさぁ リボンズハウス」は、沖縄県内すべての乳がん患者のためのピアサポートサロンです。
患者同士が治療法などについて情報交換をしたり、抗がん剤の副作用との付き合い方や再発防止のための講座を受けることができるこのサロンに、県内各地から、乳がんの患者さんやそのご家族が訪れます。
医療機関とは違った角度からのサポートが受けられるこのサロンの魅力は、ここに行けばいつでも体験者の声が聞ける「心の拠りどころ」であること。患者同士が集まることで、「仲間がいる心強さ」「乳がんと闘う前向きな気持ち」が持てると喜ばれています。
さらに、乳がんに関する認知を高める活動も行っており、特に、検診の大切さを知ってもらい、それによる早期発見を促していきたいと考えています。
活動概要
(1) 年一回の広報誌ぴんく・ぱんさぁの発行と患者懇親会を開催(コロナ禍では延期)
(2) 専門家による「女性のための講演会」の開催
(3) 抗がん剤治療を経験した美容師さんによるウィッグ相談日(第2火曜日)、若いメンバー(20~40代)が集まるぴーち会(第2水曜日)、リンパ浮腫勉強会(第4水曜日)を開催し情報を発信。
(4) 乳がん検診受診啓発活動(ピンクリボン活動)
日本では9人に1人の女性が乳がんにかかるといわれ、沖縄県内でも年間1,000人を超える女性が乳がんの告知を受けています。
治療も長期に渡るケースが多く、患者本人とその家族にもさまざまな負担がかかるため、情報提供や精神的サポートが必要とされています。
しかし、乳がんは女性特有の病気であることや、間違った認識からの偏見があり、周りの人に打ち明けられず一人で悩んでいる女性は少なくありません。
ぴんく・ぱんさぁの活動は、みらいファンド沖縄を通じた寄付による助成をはじめ、多くの方々のサポートで成り立っています。サロン運営やイベント開催時のスタッフは無償で協力しているほか、講座の講師もボランティアで参加してくださっています。
また、開設当初から継続して、宮良クリニックの宮良球一郎医師によるバックアップをいただきながら、県内企業各社からもさまざまな形でご支援をいただいています。
「ピンクリボン活動支援販売機」(沖縄コカ・コーラボトリング株式会社)
11ヶ所の自動販売機から、売上の一部を寄付いただいています。
「幸せの黄色いレシート」(イオン琉球株式会社)
毎月11日に発行されるレシートをぴんく・ぱんさぁのボックスに入れていただくと金額の1%分の商品がいただけます。
「琉 Cue ピンクリボンチャリティーゴルフコンペ」(キューカンパニー株式会社)
ゴルフコンペで募ったチャリティー金をご支援いただいています
その他、様々な企業、団体、個人の方にご支援いただいています。
2020年に、設立15周年記念誌を発行しました。
県内の乳がんを患った女性同志のネットワークで、乳がんの正しい知識と情報を共有することにより、生活の質・治療成果の向上を図ることを目的としています。また、自分たちの体験を通し、乳がんの早期発見・早期治療の大切さを訴える啓発活動を行い、検診率と早期発見率のアップを目指します。
NPO乳がん患者の会ぴんく・ぱんさぁの活動は、特定の病院に属さない患者会のため医師に影響されずに、病院を越えたネットワークと自由な発想の活動に魅力がある。宮古島での患者会との連携、寄付付自動販売機の設置、最近では乳がん患者の若手が集まって結成したピーチ会など、自由な発想で活動を広げている。患者同士を繋がることで、医療の力では解決できない所を担っていると思う。その様な活動が展開する限りは、応援を続けたいと思っている。
代表の与儀さんが患者会を作る時に、乳がん治療するには重要なポジションになると思ったので、団体に寄付することにした。お金についで悩む時間を減らし、患者同士が話し合いながら、患者のために考える時間に多く使うことができる。そういった環境をつくりだすお手伝いができることに、価値があると思ったので、金はだしても、口は出さないという関わりで応援している。その活動が最終的には、乳がん患者の負担を軽くしていると考えている。