那覇市民会館のこれからを考える地域円卓会議
開催日時
2017. 1. 1 2016年5月29日
開催場所
那覇市民会館 中ホール
■テーマ
那覇市民会館のこれからを考える地域円卓会議
もうすぐ50歳の昭和遺産、
那覇市民会館の記憶を継承するために今確認したいこと
■実施報告
日 時: 2016年5月29日(日)13:45-16:15
場 所: 那覇市民会館 中ホール
主 催: 那覇市議会議員 前泊美紀
■論点提供
前泊 美紀 氏(那覇市議会議員)
もうすぐ50歳の昭和遺産、那覇市民会館の記憶を継承するために今確認したいこと
那覇市民会館の老朽化に伴い、那覇市は新しい市民会館を久茂地小学校跡地に建設する計画を進めています。そのような中、現市民会館は今後どうなるのか。築46年の「昭和遺産」である那覇市民会館は、開館以来「文化の殿堂」として市民に親しまれ、復帰前夜から沖縄の様々な歴史の証人となってきただけでなく、建築物としてもDOCOMOMO(モダン・ムーブメントにかかわる建物と環境形成の記録調査および保存のための国際組織)が日本の重要な近代建築のひとつとして選定するなど、その価値が高く評価されています。ある一定の期間を生きた公共的な建物は、その存廃について、とかく市民と行政の対立を生みやすいことから、その瀬戸際ではなく早い時期から情報を共有し時間をかけて話し合うことで、市民にとって、さらにそれを所有する自治体や建物にとってもよりよい未来を描くことができるのではないか。その思いから、この企画を提案しました。まずは、客観的な現状を共有し、今後のあり方を広く考えるきっかけとなれば幸いです。
■事実の提供
*那覇市市民文化部からの文書回答。平成20年、体力度調査及び設備老朽度調査を実施。保存度の評価が著しく低い。設備について、全田的に機能低下が確認されている。一部の使用停止・制限がでている 。平成28年8月末、耐震診断調査判定結果出る予定。今後の使用は、判定結果を踏まえて関係部署と考えていく予定。
*那覇市企画部からの文書回答。この場所の今後の活用について、具体的な検討行われていない。
*市長の公約では、現市民会館の敷地内に地域の活動拠点となるコミュニティ施設を備えた新真和志支所を建設するとの考えを示している。
*那覇市民会館が出来る前は農場試験所だった。この地域は文教地区指定されている。
*現那覇市民会館は1967年完成。1970年にオープン。
*沖縄の材料を使って作った。
*ひんぷんなど巧みに使っている。昔の沖縄の空間を今に伝えていこう、残していこうと考えられている施設。評価の提供
*現市民会館は沖縄コンクリート建築を方向づけた。
*コンクリートの近代建築に大屋根(あまはじ)をデザインコンセプトで大々的に用いたのはこの建物が最初。この建物の建設以降、赤瓦を公共建築・近代建築に使っており、この建築物が与えた影響は大きい。
*建築物で地域性をデザインした公共建築。
*「世界遺産に登録したいニッポンが誇る名作モダニズム建築全リスト」に現市民会館は入っている。
■事例の提供
*滋賀県の小学校の存続運動の際、アニメと組んだ。アニメを呼び込んで収益化した。
*継続的に運営ができるように、自主財源ができるソフトを考える。利益を生み出す力が必要。行政、民間、地域、クリエーターを混ぜて考えないといけない。
■今後のアプローチの方向性(提案)
議論の場を持つ 現市民会館の今後について市行政、建築等専門家、市民と議論の場を持つ。
価値の発信 世界からの評価を受けている建物の価値を理解し発信していく。
収益を生み出す 継続活用していくためのソフトや公園を含めた一体的な開発を考える。