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【報告】6/12 なは円卓会議 with 那覇YEG

2012.07.03


    
 2012年6月12日(火)、那覇商工会議所ホールにて「なは円卓会議 with 那覇YEG」が開催されました。これまでに2回開催した「地域社会のみらいを考える円卓会議」(主催:那覇市、みらいファンド沖縄)に参加した行政、企業、報道、金融機関、自治会、NPOなどからなる円卓会議メンバーが、円卓会議を今後も地域課題の解決のきっかけにしようと主体的に再集結しました。
   
 今回は、「災害時の停電等による在宅介護家庭の課題を解決するために、どんな協働が可能か?」をテーマに、専門家による論点提供をいただき、議論をしました。多様なセクターから集まったメンバーならではの多様な意見やアイデアが出るたびに、地域課題の解決には、地域全体で取り組むことが近道なのでは、と感じました。
 また、開催には、那覇商工会議所青年部(YEG)のみなさまが主催として尽力くださり、その月次定例会の時間と場を提供くださいました。そのため、参加者の多くはYEG会員の企業人であったことから、普段の仕事の中では意識しなかったこの問題に、企業としてできる社会貢献、あるいは新しい商品やサービスなど、多くの気付きや着想のきっかけになったとの声を多数いただきました。

■開催日時:2012年6月12日(火)19:30~21:00
■場  所:那覇商工会議所 2階ホール(那覇市久米)
■着席者数:23名(論点提供者、司会、ファシリテーターを含む)
■来場者数:138名(那覇YEG会員105名を含む)
■主催:那覇商工会議所青年部(まちづくり推進委員会)
■開催協力:なは円卓会議メンバー、特定非営利活動法人まちなか研究所わくわく、公益財団法人みらいファンド沖縄


開催概要は、こちら >>> 「なは円卓会議 with 那覇YEG」開催のお知らせ
このレポートのpdf版は >>> こちら

……プログラム……
・基調講演
川北秀人 氏(IIHOE[人と組織と地球のための国際研究所]代表)
・論点提供
「災害等の停電時の在宅介護家庭における課題」
照喜名通 氏(認定NPO法人アンビシャス 副理事長)
根本哲也 氏(国立長寿医療研究センター 診療関連機器開発研究室 室長)
・セッション1
着席メンバーによる論点への質問
・サブセッション
会場全体で小グループに分かれて議論
・セッション2
着席メンバーを中心に、会場全体での議論
・まとめ

 那覇商工会議所青年部(YEG) まちづくり推進委員会の稲福大吾委員長の挨拶で幕を開けた「なは円卓会議 with 那覇YEG」は、参加者の多くがYEG会員ということもあり、川北秀人氏による基調講演では、企業の社会貢献活動に関する動向の紹介が中心となりました。企業の社会貢献は、企業の生き残りや新しい価値づくりのため、不可欠なものであることが強調してのべられ、宇都宮市まちづくり貢献企業認証の事例、湯布院のまちづくりの事例をお話しくださいました。


(▲ 川北 秀人 氏 基調講演 )

 そして円卓会議の議題としての論点提供では、難病患者支援を専門とする照喜名通 氏より、在宅介護をしている家庭では、停電によってどんな困難が発生するかの説明がありました。特に、台風の多い沖縄では、停電が長期化することもしばしばあり、電源の確保は生命に関わることであるとあらためて強調されました。
 続いて、根本哲也氏からは、県外での予備バッテリー準備や避難訓練などの事例の紹介とともに、「気付きから生まれる新しい産業もある。クライシスは予測不可能なことだが、リスクは予測が可能。工夫でクライシスをリスクに変えることができるので、ぜひ知恵を貸してほしい」と呼びかけがありました。


 (▲ 左:根本哲也 氏  右:照喜名通 氏)

 この論点提供の内容に関して、円卓メンバーからの質問が行われた後、会場全体で小グループに分かれての議論の時間が設けられました。今回、円卓に着席するメンバーには、この課題にアイデアの出せそうな人をサブメンバーとして連れてきていただきました。司会の合図で、着席メンバーとサブメンバー、また会場のそこかしこで議論が始まり、このサブセッションで会場はとても騒々しくなり、そして熱気に溢れました。

 その後、場を着席メンバーを中心とするものに戻し、サブセッションで議論されたことを会場全体で共有しました。
   
・地域の拠点を「福祉避難所」とするような取組みは可能ではないか?
・当事者の方から、どんな支援が必要かヒアリングするのはNPOが得意
・停電のリスクを下げる都市計画が必要ではないか?
・電気自動車のバッテリーを家庭用の電源として使える
・スマートフォンのアプリで画面輝度を上げて懐中電灯として使える。これを車載充電器と組み合わせることで、とりいそぎの暗さはなんとかできる
・台風が来るのは予測可能。事前にレンタル事業者と連携し、電源スポットを設けられれば良いのでは? その場所は、電力会社のオープンスペースを解放するなどできそう。
   
 これらのような実に多様な視点からの多様なアイデアは、企業だけでなく、行政やNPOなど多様な参加者が集まる、この円卓会議ならではないでしょうか。



(▲ 会場全体でのディスカッションのようす )

 最後に、円卓会議メンバーでもある、那覇商工会議所青年部 会長の添石幸伸 氏からのあいさつでは「慈善ではなく、自社や社会に対して価値の生まれる取組みを」と、参加したYEG会員に呼びかけがありました。


(▲ 添石幸伸 氏 )

 今回の円卓会議は、過去2回開催した「地域社会のみらいを考える円卓会議」(主催:那覇市、みらいファンド沖縄)の着席メンバーが、円卓会議を今後も地域課題の解決のきっかけにしようと主体的に再集結しました。その第1回の場として、会員の月次定例会の時間を提供くださった那覇商工会議所青年部のみなさまに、深い感謝を申し上げます。
 また、会場にご参加くださった方、そして、サブメンバーとして参加してくださったみなさまにも、御礼申し上げます。
 みらいファンド沖縄では、今後も、市民社会を支える力を育むために、地域社会のさまざまな資源の循環を促す取り組みを行ってまいります。何卒ご注目くださいますようお願い申し上げます。

(2012年6月22日)


【関連情報】
■ついったーまとめサイトTogetter
「なは円卓会議 with 那覇YEG」のまとめ
http://togetter.com/li/319977
今回の円卓会議では実験的に、Twitter上でその概要を中継しておりました。上記URLにその「つぶやき」をまとめました。「つぶやきサポーター」の秋本康治さんに御礼申し上げます。
    
■川北秀人氏のブログ
http://blog.canpan.info/dede/archive/636
円卓会議当日に川北氏が使用されたパワーポイントのデータがアップされています。


■着席メンバー

  • 島田 聡子 氏(那覇市 市民文化部参事監)
  • 眞榮城 嘉政 氏(那覇市自治会長会連合会 副会長、真地団地自治会 会長)
  • 渡具知 豊 氏(有限会社渡具知 代表取締役社長、沖縄県中小企業家同友会北部支部 幹事長、特定非営利活動法人しまんちゅビジネス協議会 理事)
  • 添石 幸伸 氏(那覇商工会議所青年部 会長、税理士法人添石綜合会計事務所 所長)
  • 知花 茂 氏(沖縄県労働金庫 総合企画部 次席調査役)
  • 上間 正敦 氏(沖縄タイムス社編集局社会部部長、論説委員)
  • 照喜名 通 氏(認定NPO法人アンビシャス 副理事長)
  • 糸数 貴子 氏(特定非営利活動法人おきなわCAPセンター 事務局長)
  • 小阪 亘(公益財団法人みらいファンド沖縄 代表理事)

基調講演

  • 川北 秀人 氏(IIHOE[人と組織と地球のための国際研究所]代表)

論点提供

  • 根本 哲也 氏(国立長寿医療研究センター 診療関連機器開発研究室 室長)
  • 照喜名通

ファシリテーション

  • 宮道 喜一 氏(特定非営利活動法人まちなか研究所わくわく)

司会

  • 平良 斗星(タイフーンfm)