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【報告】 地域社会のみらいを考える円卓会議2012

2012.01.16



 2012年1月7日(土)、那覇市職員厚生会館にて「地域社会のみらいを考える円卓会議2012」を開催し、行政、企業、報道、学識、金融機関、自治会、NPO、中間支援団体といった、地域社会の “多様な担い手”のみなさんにご出席いただきました。
 2回目となる今回は、「協働・情報・共感」をテーマに、県内から3名、県外から1名に論点提供をしていただき、特に沖縄でも間近に迫った少子高齢化社会に向けて、多様な繋がりを育むことが重要であることが確認され、また、この会議参加者をコアに具体的な動きへ繋げていければ、との展望も示されました。

■開催日時:2012年1月7日(土)13:00~17:00
■場  所:那覇市職員厚生会 厚生会館3階多目的ホール(那覇市おもろまち)
■着席者数:13名
■来場者数:42名
■スタッフ数:7名

開催概要は、こちら >>> 円卓会議2012 開催のお知らせ

……セッション1……
   
論点提示1
「沖縄の地方紙が担うもの」
上間 政敦 氏(沖縄タイムス 論説委員)
  
論点提示2
「NPOの情報発信〜信頼を育むために」
照喜名 通 氏(認定NPO法人アンビシャス 副理事長)
  
着席者自己紹介・意見交換
  

 セッション1は「理解と信頼を育む情報の流通をめざして」と題して、「情報」に関するエキスパートのお二人にお話いただきました。まず、沖縄タイムスの上間 政敦 氏からは、沖縄タイムスが今年展開した長期連載より記事をいくつかご用意いただき、そこから垣間見えた少子高齢化社会へ備えるには地域の力を育む必要がある、という問題提起がありました。


 (▲ 上間 政敦 氏 論点提示1 )

 次に、県内最初の認定NPO法人となったアンビシャスの照喜名 通 氏から、情報発信の難しさや重要性について語られました。小さな仕事の積み重ねが、大きな信頼や継続性ある支援に繋がるという、ご経験に基づく貴重なお話をお聴きすることができました。また、今後ますますその活動に期待のかかるNPOは、情報面でのサポートも求めていることが、メディアのみならず会場全体に呼びかけられました。
セッション1の後半は、着席者全員が自己紹介を兼ねた活動紹介をしつつ、セッション1の感想等が述べられました。前半のまとめとして座長の大城 保 氏(沖縄国際大学)より、“公”ではなく“共”が取り組む必要があると「気づいた人の責任」との言葉に、会場の多くの方がうなずいていました。


(▲ 照喜名 通 氏 論点提示2 )

……セッション2……
   
論点提示3
「地域が直面する課題〜来るべき高齢化社会と真地団地自治会の取組み」
眞榮城 嘉政 氏(真地団地自治会 会長)
  
事例提供
「自治を回復し、まち・むらの課題をまち・むらで解決するために 〜協働と総働の基礎を再確認する」
川北 秀人 氏(IIHOE[人と組織と地球のための国際研究所]代表)
  
着席者による議論
会場参加者によるミニディスカッション
質疑応答
   

 セッション2では、「沖縄の地域社会の課題を見つめる」と題し、あらためて地域で何が起こっているかを共有することをめざしました。眞榮城 嘉政 氏より、真地自治会が実施しているデイサービスや食事会などの事業や、サークル活動や夏祭りでの世代間交流に関して報告をしていただきました。自治会は地域課題の「百貨店」であるにも関わらず、法人格や法的位置づけが実はないという悩みを克服するため、新しい形態や協働を模索している、とのお話もありました。


(▲ 眞榮城 嘉政 氏 論点提示3 )

 そして、県外からお招きした川北 秀人 氏(IIHOE)からは、他県と沖縄を比較したデータを元に、今後の20年間で少子高齢化社会にどう備えるか、総ての人々が当事者として取り組む、協働をさらに一歩進めた「総働」の必要があることが示されました。また、他県の事例も多く紹介していただき、とても多くの情報を提供いただきました。


(▲ 川北 秀人 氏 事例提供 )

 川北氏の発表の後半には、会場参加者がそれぞれ近くの席の人々とディスカッションをする時間が設けられました。その様子は、まるで「ミニ円卓会議」。今後、沖縄県内のいろんな地域・分野でこのような場が持たれ、さまざまな出会いがあることを期待させる風景でした。
 その後、再び着席出席者によって議論がなされ、会場からも意見のあった、お金だけでないモノ・ヒトも含めた循環が働きはじめることへ、期待感が示されました。

異なる分野で活躍するアクターが、協働や連携を図るきっかけとなるよう願って開催している円卓会議。2回目の開催を終え、自分の地域でも円卓会議を開催したい、より具体的な協働・総働に繋げたい、など新しい展開も見えてきました。
ご出席くださいましたみなさま、そして会場にお越しくださいましたみなさま、ありがとうございました。


(▲ 会場全体でのディスカッションのようす )

 みらいファンド沖縄では、今後も、市民社会を支える力を育むために、地域社会のさまざまな資源の循環を促す取り組みを行ってまいります。何卒ご注目くださいますようお願い申し上げます。
(2012年1月13日)


■着席者

  • 大城 保 氏(沖縄国際大学 教授) *座長
  • 島田 聡子 氏(那覇市 市民文化部 まちづくり協働推進担当参事)
  • 眞榮城 嘉政 氏(那覇市自治会長会連合会 会長、真地団地自治会 会長)
  • 渡具知 豊 氏(有限会社渡具知 代表取締役社長、沖縄県中小企業家同友会北部支部 幹事長、特定非営利活動法人しまんちゅビジネス協議会 理事)
  • 添石 幸伸 氏(那覇商工会議所青年部 専務理事、税理士法人添石綜合会計事務所 所長)
  • 知花 茂 氏(沖縄県労働金庫 総合企画部 次席調査役)
  • 上間 正敦 氏(沖縄タイムス社編集局社会部部長待遇、論説委員)
  • 照喜名 通 氏(認定NPO法人アンビシャス 副理事長)
  •  

  • 糸数 貴子 氏(特定非営利活動法人おきなわCAPセンター 事務局長)
  • 川北 秀人 氏(IIHOE[人と組織と地球のための国際研究所]代表)
  • 小阪 亘(公益財団法人みらいファンド沖縄 代表理事)

ファシリテーション

  • 宮道 喜一 氏(特定非営利活動法人まちなか研究所わくわく)

司会

  • 平良 斗星(公益財団法人みらいファンド沖縄)

■共同主催:那覇市(地域づくり・公益活動支援事業)、公益財団法人みらいファンド沖縄
■後  援:沖縄県、沖縄国際大学 沖縄経済環境研究所、那覇商工会議所、(社)那覇青年会議所、(社)沖縄県経営者協会、(社福)沖縄県社会福祉協議会 沖縄県ボランティア・市民活動支援センター、(特活)しまんちゅビジネス協議会、(独法)国際協力機構 沖縄国際センター、(財)沖縄県公衆衛生協会 気候アクションセンターおきなわ、(特活)沖縄NGOセンター、(社福)那覇市社会福祉協議会、沖縄タイムス社、 琉球新報社、タイフーンfm (順不同)
■企画運営:公益財団法人みらいファンド沖縄


【関連情報】
■ついったーまとめサイトTogetter
「地域社会のみらいを考える円卓会議2012」のまとめ
http://togetter.com/li/238946
今回の円卓会議では実験的に、Twitter上でその概要を中継しておりました。下記URLにその「つぶやき」をまとめましたので、どうぞご覧ください。「つぶやきサポーター」としてご協力くださった、宮里大八さん、秋本康治さん、牧志朝英さんに御礼申し上げます。

■川北秀人氏のブログ
http://blog.canpan.info/dede/archive/579
円卓会議当日に川北氏が使用されたパワーポイントのデータがアップされています。

■このページのpdf版のダウンロードは、こちら >>> mfo-report_rt2012.pdf