【報告】地域社会のみらいを考える円卓会議2011
2011年2月19日(土)、那覇市職員厚生会館にて「地域社会のみらいを考える円卓会議2011」が開催されました。地域課題の解決のため、行政、企業、報道、学識、金融機関、自治会、NPO、中間支援団体といった“多様な担い手”が集い、沖縄の市民社会のみらいのために意見を交わす場となりました。
■日時:2011年2月19日(土)13:00~17:00
■場所:那覇市職員厚生会館3階多目的ホール
■着席者数:12名
■来場者数:27名
■スタッフ数:8名
セッション1は「沖縄の市民社会のみらい~その担い手の多様性」と題して、沖縄の現状を会場全体で共有しました。まず、沖縄国際大学経済学部教授の大城保氏と、沖縄県企画部企画調整課の曽根淳氏がそれぞれ論点提供をおこないいました。大城氏は今の沖縄には“ソーシャル・イノベーション(社会革新)”が必要であるということと、“新しい公共”の定義を見直すべきであるとの意見を述べました。
—————————————————– ◀◀◀ 【論点提示1】 「沖縄の地域活動について」 沖縄国際大学 教授 大城 保 氏 —————————————————– |
次に、曽根氏は沖縄県民にアンケートをして意見をまとめ策定した『沖縄21世紀ビジョン』の概要を説明。沖縄県のみらいを創造するには、県民一体となった取り組みが必要であり、基本的な指針の設定だけではなく実現させることに意味があるとし、今回の円卓会議で出された意見を参考に、よりよいものへと構築していきたいと述べました。
—————————————————– ◀◀◀ 【論点提示2】 「『沖縄21世紀ビジョン』における 協働について」 沖縄県 企画部 企画調整課 曽根 淳 氏 —————————————————– |
【参考】 『沖縄21世紀ビジョン』
http://www.pref.okinawa.jp/21vision/htmlver2/about21.html
セッション2は「市民活動を支える、寄付文化の醸成をめざして」と題して、寄付をテーマに2つの話題提供をしていただきました。まず、特定非営利活動法人メッシュ・サポートの小橋川繁氏が、“救える命を救いたい”をスローガンに同法人が行っている、救急搬送事業と寄付の現状についてと、これまでの活動で生じた問題やその解決に向けての取り組みを報告しました。
—————————————————– ◀◀◀ 【論点提示3】 「救える命を救いたい!―地域で支え る救急医療の可能性―」 (特活)メッシュ・サポート 小橋川 繁 氏 —————————————————– |
【参考】 特定非営利活動法人メッシュ・サポート
http://www.meshsupport.net/
続いて、公益財団法人 京都地域創造基金 事務局長である戸田幸典氏による事例提供がありました。戸田氏は財団が行っている3つの事業、「冠助成・冠褒賞」、「事業指定助成」、「テーマ等提案型プログラム」について説明しました。『市民活動を支えるのは市民社会』として社会システムの再構築に取り組み、資金循環のさらなる“見える化”と、信頼性の高い地域の寄付仲介組織の確立を目指したいと語りました。
—————————————————– ◀◀◀ 【事例提供】 「地域の公益活動を支える新しい しくみ~地域ファンドが繋ぐ 多様な担い手」 (公財)京都地域創造基金 戸田 幸典 氏 —————————————————– |
【参考】 公益財団法人 京都地域創造基金
http://www.plus-social.com/
本会議では、円卓着席者のみならず、会場から積極的な発言も多く、まさに多様なみらいの担い手たちが意見を交わす貴重な場となりました。今までの“寄付”という概念を、今の社会に適切な用語で表わすべきであるという意見や、他府県にはない沖縄らしい“ユイマール”精神を盛り込んだコミュニティ構築の推進を期待したい、という声もありました。
異なる分野で活躍するアクターが、今後協働や連携を図るきっかけとなった今回の円卓会議。沖縄における寄付文化の醸成のためにそれぞれがすべきこと、できることは何かという課題を持ち帰り閉幕しました。会場を後にする参加者からは、円卓会議の次回開催と、みらいファンド沖縄の将来性を期待する声が多く聞かれました。
ご出席くださいましたみなさま、そして会場にお越しくださいましたみなさま、ありがとうございました。
■着席者
・大城 保 氏 (沖縄国際大学 教授)*座長
・曽根 淳 氏 (沖縄県企画部企画調整課 企画制度班長)
・島田 聡子 氏 (那覇市 市民文化部 副部長)
・眞榮城 嘉政 氏 (那覇市自治会長会連合会 会長、真地団地自治会 会長)
・知花 茂 氏 (沖縄県労働金庫 総合企画部 次席調査役)
・上間 正敦 氏 (沖縄タイムス社編集局特別報道チームキャップ、論説委員)
・小橋川 繁 氏 (特定非営利活動法人メッシュ・サポート)
・糸数 貴子 氏 (特定非営利活動法人おきなわCAPセンター 事務局長)
・戸田 幸典 氏 (公益財団法人 京都地域創造基金 事務局長)
・小阪 亘 (一般財団法人みらいファンド沖縄 代表理事)
ファシリテーション 宮道 喜一 氏 (特定非営利活動法人まちなか研究所わくわく)
司会 平良 斗星 (一般財団法人みらいファンド沖縄)
■共同主催
一般財団法人みらいファンド沖縄、那覇市(地域づくり・公益活動支援事業)
■後援(順不同)
沖縄県、沖縄国際大学 沖縄経済環境研究所、(特活)沖縄NGOセンター、(社福)沖縄県社会福祉協議会 沖縄県ボランティア・市民活動支援センター、(独法)国際協力機構 沖縄国際センター、(社福)那覇市社会福祉協議会、(財)沖縄県公衆衛生協会 気候アクションセンターおきなわ、沖縄タイムス社、 琉球新報社、タイフーンfm
■会議進行協力
特定非営利活動法人まちなか研究所わくわく
■企画運営
一般財団法人みらいファンド沖縄